結論:iPhoneで格安SIMを使うのは難しくありません。「①対応確認 → ②(必要なら)SIMロック解除 → ③申し込み → ④SIM/eSIMの開通 → ⑤APN設定 → ⑥データ移行」の6ステップで完了します。今お使いのiPhoneがそのまま使えるケースがほとんどで、追加で端末を買う必要はありません。本記事では、機種を問わず共通する手順と、つまずきやすいポイントを初心者向けに整理しました。
「iPhoneを買い替えずに月々のスマホ代を下げたい」――そんなときに有効なのが、iPhoneはそのままで通信会社(SIM)だけを格安SIMに乗り換える方法です。この記事では、どの格安SIMでも共通する流れを6ステップで解説します。各社固有の操作や料金は変わりやすいため、最終的な手順・金額は必ず契約先の公式サイトで最新情報を確認してください。
iPhoneで格安SIMを使う全体の流れ(6ステップ)
まずは全体像をつかみましょう。やることは次の6つです。
| ステップ | やること | 目安の所要時間 |
|---|---|---|
| ① 対応確認 | 使いたい格安SIMが、お手持ちのiPhoneに対応しているか確認 | 5分 |
| ② SIMロック解除 | 必要な場合のみ。マイページから無料で手続き | 5〜10分 |
| ③ 申し込み | 格安SIMを契約(MNPなら電話番号そのまま) | 15〜30分 |
| ④ 開通 | SIMカード到着後の差し替え、またはeSIMの発行・読み込み | 5〜15分 |
| ⑤ APN設定 | インターネットに接続するための設定 | 5分 |
| ⑥ データ移行 | 同じiPhoneを使い続けるなら基本不要 | 0〜30分 |
このうち②と⑥は「必要な人だけ」のステップです。多くの場合、実際に手を動かすのは①③④⑤の4つだけ。順番に見ていきましょう。
ステップ①:使いたい格安SIMにiPhoneが対応しているか確認する
最初に行うのは「今のiPhoneでその格安SIMが使えるか」のチェックです。対応していなければ通信できないため、必ず確認します。
動作確認済み端末リストを見る
ほとんどの格安SIMは公式サイトに「動作確認済み端末」の一覧を掲載しています。そこに自分のiPhone(例:iPhone 13、iPhone SE 第3世代など)と利用回線(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線など)が載っていれば対応OKです。機種名はiPhoneの「設定 → 一般 → 情報」から確認できます。
eSIMを使うなら「eSIM対応モデル」かもチェック
物理SIMカードではなくeSIMを使う場合は、iPhoneがeSIMに対応している必要があります。一般的にiPhone XS/XR以降のモデルが対応していますが、対応状況や販売国による差もあるため、申し込み前に格安SIM公式の「eSIM対応端末」欄で確認してください。eSIMの仕組みやメリット・デメリットはeSIMとは?の解説で詳しくまとめています。
チェックのコツ:同じiPhoneでも、契約していた回線(ドコモ/au/ソフトバンク)によって相性が異なる場合があります。動作確認リストでは「機種名」だけでなく「回線種別」までそろっているかを見ましょう。
ステップ②:SIMロック解除が必要かを確認する
「SIMロック」とは、特定のキャリアのSIMしか使えないように端末をロックしている状態のこと。これが残っていると他社の格安SIMが使えないため、必要に応じて解除します。
新しいiPhoneは基本的に解除不要
総務省のガイドライン改定により、2021年10月1日以降に発売・販売された端末は、原則としてSIMロックがかかっていない状態で販売されています(総務省の方針)。また、Apple Store(Apple公式)やオンラインで「SIMフリー版」として購入したiPhoneは、もともとロックがかかっていません。これらに当てはまる場合、ステップ②は飛ばして問題ありません。
古い・キャリア購入のiPhoneは確認を
2021年9月以前にドコモ・au・ソフトバンクの店舗などで購入したiPhoneは、SIMロックがかかっている可能性があります。その場合でも、各キャリアのマイページ(My docomo・My au・My SoftBankなど)から無料でSIMロックを解除できます。解除可否や具体的な操作手順、対象モデルはキャリアによって異なり変更されることもあるため、契約していたキャリアの公式案内で最新の手順を確認してください。
SIMロックがかかっているか調べる方法
iPhoneの「設定 → 一般 → 情報」を開き、「SIMロック」の項目を確認します。「SIMロックなし」と表示されていれば解除済み(または最初からフリー)です。判断がつかない場合は、契約キャリアに問い合わせると確実です。
ステップ③:格安SIMを申し込む(MNPなら番号そのまま)
対応とSIMロックを確認できたら、実際に格安SIMを申し込みます。電話番号を変えたくない人は「MNP(番号そのままの乗り換え)」を選びましょう。
MNPワンストップなら予約番号は不要
従来は、乗り換え前のキャリアで「MNP予約番号」を取得してから申し込む必要がありました。しかし現在は、対応事業者同士であれば予約番号を取らずにそのまま申し込める「MNPワンストップ」方式が使えます。どちらの方式になるかは乗り換え元・乗り換え先の対応状況によります。具体的な流れは格安SIMの乗り換え手順ガイドで5ステップにまとめているので、あわせて参考にしてください。
申し込みに必要なもの
申し込みでは、本人確認書類・支払い用のクレジットカード(または対応する支払い方法)・MNP関連情報・メールアドレスなどが必要になります。事前にそろえておくと手続きがスムーズです。準備物の詳細は格安SIMの申し込みに必要なものガイドで確認できます。
どの格安SIMを選ぶか迷ったら
サービスが決まっていない場合は、料金だけでなく通信品質・データ容量・通話オプション・サポート体制を総合的に比べましょう。比較の観点は格安SIMの選び方ガイド、見落としがちな注意点は格安SIMのデメリット総まとめで解説しています。
ステップ④:SIM/eSIMを開通させる
申し込みが完了すると、物理SIMの場合はSIMカードが郵送され、eSIMの場合はオンラインで発行されます。それぞれ開通の手順が異なります。
物理SIMカードの場合
- iPhoneの電源を切る
- 付属のSIMピン(またはクリップの先)で側面のSIMトレイを開ける
- 古いSIMを取り出し、新しいSIMカードを向きに注意してセットする
- トレイを戻し、電源を入れる
- 案内に従ってMNPの開通(回線切り替え)手続きを行う
eSIMの場合
eSIMは物理カードの差し替えが不要で、iPhone上でプロファイルを読み込むだけで使えます。一般的にはQRコードの読み取りやアプリ経由で設定しますが、読み込みにはWi-Fiなどのインターネット接続が必要です。Wi-Fi環境を用意してから作業を始めましょう。即日で使い始めたい人にはeSIMが便利です。
MNPの開通忘れに注意:SIMを差し替え(またはeSIMを読み込み)ただけでは、まだ前のキャリアの回線のままというケースがあります。マイページや専用ダイヤルでの「回線切り替え」手続きを忘れずに行ってください。これが完了して初めて、前のキャリアが自動解約され、新しい格安SIMで通信できるようになります。
ステップ⑤:APN設定でインターネットに接続する
SIMを認識しても、APN設定(インターネット接続の設定)が済んでいないと、Webやアプリの通信ができません。iPhoneでのAPN設定は、契約する格安SIMのタイプによって大きく2パターンに分かれます。
パターンA:APN構成プロファイルが「不要」なケース
大手キャリアのサブブランドやオンライン専用プラン(ahamo・povo2.0・LINEMO・UQ mobile・Y!mobileなど)は、APN構成プロファイルのインストールが不要なことが多く、SIMを認識すると「キャリア設定アップデート」の案内に従うだけで通信できるようになります。表示されない場合は「設定 → 一般 → 情報」を開くと更新が促されることがあります。
パターンB:APN構成プロファイルが「必要」なケース
従来型のMVNO(IIJmioの音声SIMなど)では、公式サイトから専用の「APN構成プロファイル」をダウンロードしてインストールする必要があります。手順の一例は次のとおりです。
- Wi-Fiに接続する(プロファイルのダウンロードに必要)
- SafariなどのブラウザでSIM会社公式の案内ページを開き、APN構成プロファイルをダウンロードする
- 「設定」アプリに表示される「プロファイルがダウンロードされました」をタップ
- 会社名(MVNO名)が正しいことを確認して「インストール」をタップし、パスコードを入力
- Wi-Fiを切ってモバイル通信でWebが開けるか確認する
重要:iPhoneにインストールできるAPN構成プロファイルは原則1つだけ。過去に別の格安SIMのプロファイルが残っていると新しい通信が安定しないことがあります。「設定 → 一般 → VPNとデバイス管理」から、不要な古いプロファイルを削除してから新しいものを入れましょう。
ステップ⑥:データ移行(同じiPhoneを使い続けるなら基本不要)
今まで使っていたiPhoneをそのまま使う場合、写真・連絡先・アプリなどのデータは残るため、データ移行の作業は基本的に不要です。SIMを入れ替えただけでは中のデータは消えません。
一方、乗り換えと同時に新しいiPhoneへ買い替える場合はデータ移行が必要です。iPhone同士なら、起動時の「クイックスタート」やiCloud/パソコン経由のバックアップ復元で移せます。なお、LINEや各種アプリのアカウントは個別の引き継ぎ操作が必要になることがあるので、乗り換え前に各サービスの引き継ぎ方法を確認しておくと安心です。
iPhoneで格安SIMを使うときの注意点
- キャリアメールは原則使えなくなる:大手キャリアから乗り換えると、@docomo.ne.jp・@ezweb.ne.jp・@softbank.ne.jpなどのキャリアメールが使えなくなります。各社の「メール持ち運び」サービス(有料)を利用するか、乗り換え前にGmailなどのフリーメールへ各サービスの登録アドレスを変更しておきましょう。
- 確認は申し込み前に:「届いてから使えないと気づく」事態を避けるため、ステップ①②(対応確認・SIMロック)は申し込み前に済ませるのが鉄則です。古い機種や中古で買ったiPhoneは特に要注意です。
- 切り替えタイミングに余裕を:MNPの回線切り替えは時間帯によって反映が翌日扱いになることもあります。電話が使えない時間を作りたくない場合は、余裕のある時間帯に手続きしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. iPhoneを買い替えなくても格安SIMは使えますか?
A. はい。多くの場合、今お使いのiPhoneをそのまま使えます。動作確認済み端末リストに自分の機種と回線が載っていて、SIMロックが解除済み(または最初からフリー)であれば、SIMを入れ替えるだけで利用できます。
Q. SIMロック解除にお金はかかりますか?
A. 現在はマイページ(My docomo・My auなど)からの手続きであれば無料で解除できるのが一般的です。なお2021年10月以降に発売されたiPhoneは、原則ロックがかかっていないため解除自体が不要です。詳しい対象や手順は各キャリア公式で確認してください。
Q. APN設定をしないとどうなりますか?
A. 電話や(プランによっては)SMSは使えても、Webやアプリのインターネット通信ができません。Wi-Fiを切った状態でブラウザが開けない場合は、APN設定(またはキャリア設定アップデート)が完了していない可能性があります。
Q. eSIMと物理SIM、iPhoneで使うならどちらがおすすめ?
A. すぐに使い始めたい・カードの差し替えが面倒という人にはeSIMが便利です。一方、機種変更時の入れ替えのしやすさや、対応の確実さを重視するなら物理SIMにも利点があります。違いはeSIMとはの解説記事で詳しく比較しています。
Q. 乗り換えで電話番号は変わりますか?
A. MNP(番号そのまま乗り換え)を選べば、これまでの電話番号をそのまま引き継げます。新規契約を選んだ場合のみ番号が新しくなります。
まとめ:iPhoneはそのまま、SIMだけ替えて通信費を見直そう
iPhoneで格安SIMを使う手順は、「①対応確認 → ②SIMロック解除(必要時) → ③申し込み → ④開通 → ⑤APN設定 → ⑥データ移行(買い替え時のみ)」の6ステップです。新しいiPhoneならSIMロック解除もデータ移行も不要なことが多く、実質的には申し込みとSIMの差し替え・APN設定だけで完了します。
大切なのは、申し込み前に「自分のiPhoneが対応しているか」「SIMロックが残っていないか」をチェックすること。ここさえ押さえれば、端末代をかけずに毎月のスマホ代を大きく節約できます。料金やキャンペーンは変動するため、最終的な条件は契約先の公式サイトで最新情報を確認のうえ、まずは格安SIMの選び方から自分に合うサービスを見つけてみてください。
